シネマレビュー その5(後篇) 『スターウォーズ フォースの覚醒』
まず感心したのは、
「映画作品」としての完成度の高さ。
これは、本作より登場する新キャラクター達の魅力によるところが大きいんですね。
主役のレイを演じるデイジー・リドリー。
抜群の身体能力もさることながら、強さ、弱さ、哀しさといった様々な感情を台詞以上に雄弁に語る、その“眼差しの強さ”!
また、新たな悪役となるカイロ・レン(アダム・ドライバー)の描写にも唸りました。彼はダース・ベイダーとは異なりブレがあって未完成。成長過程にある敵キャラクターという、これまで見られなかった人物なんです。
そんな彼に対しては、照明の当て方や音響効果を場面ごと微妙に変化させるといった繊細かつダイナミックな方法を用いることで、その複雑な人となりを見事に描き出しています。
演技力ある若手キャスト達によるフレッシュな魅力と、それを十全に引き出した見事な演出。それがそのまま作品のけん引力となって物語をグイグイ引っ張る相乗効果をもたらした結果、とにかく無駄がなくテンポがいい。冒険活劇としてこの点は非常に重要です(^^)
そして、そんな彼らを支えるのがハリソン・フォードをはじめとするオリジナルキャスト陣。おなじみの台詞やニヤリとする展開を盛り込みつつも、決して同窓会的な顔見せに終始せず、それぞれが物語上重要な使命を帯びている。
伝説の継承という本作のテーマを語るうえで大きな役割を果たしています。
このように本作は、旧作ファンが歓喜する要素をふんだんに盛り込みながらも確固たるオリジナリティをも併せ持つという、非常に困難なハードルを見事に飛び越えています。
「シリーズ作品の続編」として、これは文句のつけようがない仕上がりでしょう!
SWシリーズの続編。それを手掛けることは本当に大変な重責だったと思います。
それを見事に跳ね除けてくれたスタッフ・キャストの方々に心からお礼が言いたい!
感謝感動、歓喜感激雨あられ。
これぞ映画、これぞエンターテイメント、これぞスターウォーズ!
まさしく新シリーズの幕開けに相応しい、大傑作だと断言します!
札幌市で『スターウォーズ フォースの覚醒』映画を上映している映画館は「ユナイテッド・シネマ札幌(サッポロファクトリー内)」と「札幌シネマフロンティア(ステラプレイス内)」「ディノスシネマズ札幌(ディノス札幌中央ビル7・8階)」です。(2015年12月21日時点)
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