シネマレビュー その5(前篇) 『スターウォーズ フォースの覚醒』
世界中で熱狂的なファンをもつ スターウォーズ(SW)シリーズの最新作。
前作『ジェダイの帰還』からおよそ三十年後の世界を舞台に、銀河の覇権を握らんとする「ファースト・オーダー」と、自由を求めて闘い続けるレジスタンス、そしてジェダイの騎士たちの戦いを描く。
全世界待望、スターウォーズシリーズの最新作がついに公開です!
待ちに待った瞬間がついにやってきました(^^)
これを記念して、今回は調子に乗って2部構成でこの超大作の魅力をご紹介しようと思います。
***
本作について語る前に、前回の「新三部作(EP1~EP3)」について触れてみようかと思います。
「観る側も作る側も真面目になりすぎた」
これは新三部作をルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル氏が評した言葉なんですが、新三部作の内容と、それを取り巻く人々の姿勢をじつに端的に表したコメントだと思います。
宇宙船にエイリアンにライトセーバー。
こうして振り返ってみたら、スターウォーズの世界観って決してお堅いものじゃないと思うんですよ。
そんな中で、貿易がどうだ、通商連合がどうだ、分離主義者がどうだ・・・って小難しい言葉をずらずら並べるのは、どうにも場違いな感が因めなかったんですよね(^^;
つまり、ビジュアルとお話のバランスが一致してなかったことからくる違和感、それが新三部作の大きな欠点だったのではないかと。
シリーズの創造主であるジョージ・ルーカス。
彼には彼なりのビジョンがあり、それを形にしただけだったのだとは思います。
しかし、世界中のファンが感じた“コレジャナイ”感は、完結から十年を数えた今となっても決して拭い去ることはできませんでした。
そして3年前、製作元のルーカスフィルムがディズニーに買収されたことで、SWは実質的にルーカスの手を離れることに。
そんな影響もあって、本作にルーカスは一切の関与をしていないんですよね。
シリーズの生みの親が手を加えないという事実は賛否をよびましたが、これによって本当の意味でファンが「観たい」と思っていた物語の製作が可能になったともいえます。
かつてSWファンだった人々がSWファンのために作る、まったく新たな物語。
それが、『スターウォーズ フォースの覚醒』なのです。
とはいえ、観る前は不安で一杯だったんですよ。いちばん気掛かりだったのが、
「続編製作の意味」
これをきちんと感じられる内容になっているかどうか。
ぶっちゃけ、ストーリーは前作で綺麗にまとまってますからね(^^;
オリジナルキャストを再登場させただけの、ファンサービスの意味をはき違えた作品にはなって欲しくないという気持ちがすごく強かったんです。
しかし、新たな製作陣はちゃんとその点を理解していました。
comment closed