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シネマレビュー その34 『ファインディング・ドリー』

category :  2016.7.22 

poster2.jpg 1457489313 忘れんぼうのナンヨウハギ・ドリーは、ふとしたことがきっかけで子どものころ、両親と離れ離れになった記憶 を取り戻す。親友のマーリン、ニモ親子と共に再会への旅に出たドリーだったが、行く先々でトラブルを起こしてしまい・・・

 

信じることをあきらめない

 

大ヒットした前作『ファインディング・ニモ』。

実に13年振りとなる続編ですが、“安住の地(海)を離れて大冒険を繰り広げる”という基本コンセプトはそのままに、より強いメッセージ性をもった秀作に仕上がっていたと思います。

 

とくに印象に残ったのは、主人公であるドリーが持つ“忘れんぼう”という特徴の描かれ方です。

 

言われたことを数秒後には忘れてしまい、周りの皆と会話を成立させられない。そのうえ次から次へとトラブルを引き起こし、常に迷惑をかけてしまう。

 

これ、前作ではどちらかといえば賑やかし要員としての設定だったと思うんですけど、本作でははっきりと“障害(健忘症)”としてのニュアンスを込めて描かれているのがポイントなんですよね。

 

両親から行く末を案じられ、皆から煙たがられ、やがて一人ぼっちになっていったドリー。前作の冒険を経てマーリン、ニモというかけがえのない親友を得たわけですが、一方でマーリンはドリーのことを全面的に受け入れているわけでもなく“厄介な存在”として手を焼く場面が何度も挟まれるんですよね。

 

本作が素晴らしいのは、ドリーが持つこの明確な“障害”を、最後の最後まで有耶無耶にせず描き続けたところにあると思います。

 

そして重要なのは、そんな彼女を決して愚か者として描かずに、また健忘症という障害に関しても“矯正すべき欠点”ではなく“愛すべき個性”として描いている点にあると思うんです。

 

ストーリーの最終盤を迎えても、ドリーの忘れ癖は一向に改善されません。しかし、彼女には他の誰にもない“ひらめき”がありました。忘れんぼうで能天気な彼女だからこそ、不安や常識に臆することなく、誰よりも率先して前に進んでゆくことが出来たんですね。

 

一見すると大きな欠点も、見方を変えれば一つの個性であり、明確な長所となりうる。

 

そんな彼女のもう一つの側面を、しっかり者であるがゆえに心配性のマーリンと対比することで鮮やかに描き出してゆく。ともすれば暗くなりかねない題材でしたが、絶妙なバランス感覚で非常にポジティブな物語としてうまく昇華しています。

 

あきらめずに頑張ろう、信じてみよう。観る者にそんな勇気を与えてくれる映画の力、今回も確かに感じることが出来ました(^^)

 

13年の時を経て圧倒的に進歩した海の世界の描写や、誰もが応援したくなるであろう、新キャラ・ハンク(タコ)のキャラ設定の妙など、ほかにも語りたいことは盛り沢山!

 

この夏、是非とも家族でご覧になって欲しい良作です!

 

札幌市内で『ファインディング・ドリー』を上映している映画館は「ユナイテッド・シネマ札幌(サッポロファクトリー内)」と「札幌シネマフロンティア(ステラプレイス内)」です。

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