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シネマレビュー その32 『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』

category :  2016.7.9 

46f9d8cc171df3b4 3年におよぶ航海からロンドンに帰郷したアリス(ミア・ワシコウスカ)は、マッドハッター(ジョニー・デップ)が危 機に瀕しているとの知らせを受ける。彼を救うべく過去を変えることを決意したアリスは、時間の番人・タイム(サシャ・バロン・コーエン)の元を訪れるが・・・

 

時の流れは残酷なもので・・・

 

前作は全世界で10億ドル、わが国でも100億円以上の興行収入を荒稼ぎした大成功作でしたが、続編となる本作はアメリカ本国でまさかの大コケ。初週の成績に至っては前作の2割にも満たなかったそうです。

 

しかし、作品の善し悪しと成績は必ずしも相関しないもので、本作も観た限りでは決して駄作という程の出来ではないと思うんですよね。

 

ワンダーランドの奇抜な世界観は相変わらず観ているだけで楽しめますし、今回から新たに登場する時の番人・タイムが支配する時間の国の描写も凝りに凝っていて、まさしくディズニー映画!と語りたくなるレベルではあったと思います。

 

本作がここまで成績を落としてしまったことには様々な理由が考えられると思うんです。

 

主演のジョニー・デップ氏の離婚問題などもさることながら、やはり一番大きいのは、それこそ本作の主題である“時間”。これが一番ではないかと(^^;

 

そもそも前作は6年も前の作品であり、続編決定の報を聞いたときは正直、「今更?」という感があったのも事実。また、6年前といえば革命的3D映画『アバター』が巻き起こした空前の3Dブームの真っただ中であり、前作はその流れに上手く便乗出来たということも大きかった気がします。

 

ディズニーによる“自社作品の実写映画化”という手法も今では手垢にまみれつつある感があり、新鮮味が薄れてきたことは否めないでしょう。

 

6年という時の流れで変化したものは、決して少なくはなかった。

そう思うと、ちょっと気の毒な気もしますね。

 

ただ、観ていて気になった点もあります。

 

最も不満だったのは、前作の冒険を経て成長したアリスは冒頭から“自立した女性”として描かれていくわけなんですが、それが物語の本題と全く上手く絡んでこないこと。ワンダーランドに着いてからの彼女の行動は、とにかく全てが行き当たりばったりなんですよね。

 

これを“息つく暇もない、テンポがいい”と好意的にみることも出来ますが、ラストの展開を含めて考えるとやはりもう一工夫、テーマを際立たせて欲しかったというのが正直なところ。

 

また、ルイス・キャロルによる原作と比較するとあまりにも毒が少なく、全てが丸く収まってめでたしめでたし・・・というのも非常に物足りなく思いました。なんか、みんな普通に“ただのいい人”になってしまっていて、それはそれで寂しい気もしましたね(^^;

 

興行収入の問題はさておいても、時間の流れに埋没せず輝きを放ち続けるためには、少々厳しいと言わざるを得ない作品だったと思います。

 

札幌市内で『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』を上映している映画館は「ユナイテッド・シネマ札幌(サッポロファクトリー内)」と「札幌シネマフロンティア(ステラプレイス内)」です。

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