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シネマレビュー その30 『デッドプール』

category :  2016.6.9 

pool 人体実験によって不死身の肉体を手に入れた元傭兵のウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)。しかし、その代償とし て彼の顔は大きく損傷し、愛する婚約者とも会う勇気を持てなくなってしまった。やがて彼は「デッドプール」を自称し、復讐のために戦う決意をする・・・

 

無責任ヒーロー、待ってました!

 

マーベル・コミックスいちの人気ヒーロー、デッドプール(以下、デップー)。

紆余曲折ありましたが、ついに待望の単独主演作が公開されました!

 

デップーの魅力は何と言ってもその破天荒なキャラクターです。

 

戦闘中はお喋り三昧、果ては“第四の壁”を飛び越えスクリーンの向こう側にいる観客にまで話しかけてくるという謎の能力まで発揮。目的のためなら殺人も厭わない容赦のない暴力描写など、従来のヒーロー像とはかけ離れた存在感を放ちます。

 

それだけに実写化となると越えるべきハードルも高かったことと思いますが、本作はそれらを充分に越えて余りある、見事な完成度だったといってよいのではないでしょうか。

 

はっきり言って、物語はあってないようなものです(^^;

 

自分をだまし、醜い姿へと変えた者たちへの復讐劇。ただそれだけ。

しかし、そんな極限までシンプルな話を徹底的に面白おかしく描いてみせたことこそが、本作最大の功績だと思うんですね。

 

とくに本作はヒーロー(?)誕生譚ということで、ウェイドがデップーへと変貌を遂げるまでの事のあらましを描く必要がどうしても生じてしまいます。そこに時間を割き過ぎては退屈ですし、かといって雑な処理をするわけにもいかない。

 

そこで本作は、時系列を交叉させてゆくことでこうした問題点を解消し、ドラマ性とエンタメ性の両立を実現させています。

 

そうなれば、あとはデップー様の独壇場!

彼の強烈なキャラクターこそが作品全体の魅力であるといって良いでしょう。全編が数えきれないほどのジョーク、下ネタ、メタ発言で占められており、完全にやりたい放題(笑)

 

また、協力者としてクソ真面目なコロッサスを登場させたことも、彼の外道っぷりが引き立つ良いスパイスになっていたと思います。

 

なかには原作と比較するとまだまだ描写が甘いと仰る方も多いようですが、個人的にはキャラクター紹介も兼ねた一作目ということを考えると、このくらいが丁度良いバランスなのではないかと思いました。

 

敢えて気になった点を挙げれば、デッドプールへ変貌する前後での違いを際立たせる決定的な描写が、あとひとつ足りなかったことでしょうか。

 

変貌前に出来なくて、変貌後にできること―それは驚異的な治癒能力や第四の壁の破壊といった設定的な話ではなく、たとえば彼自身の倫理観の崩壊や、狂気を感じさせる部分で明確な対称描写を挟んでいれば、よりキャラクター性に深みが出たかな、と感じました。

 

とはいえ、こちらの期待値は充分に超えてくれた本作。次回作ではますますその魅力を発揮してくれることは間違いないでしょう。いまから期待大です!

 

札幌市内で『デッドプール』を上映している映画館は「ユナイテッド・シネマ札幌(サッポロファクトリー内)」と「札幌シネマフロンティア(ステラプレイス内)」です。

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