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シネマレビュー その14 『ヘイトフル・エイト』

category :  2016.3.2 

heitofuruクエンティン・タランティーノ監督が手掛ける密室ミステリー。時は南北戦争終結から数年後の冬。猛吹雪に見舞われたワイオミング州のとある停車場に賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)ら様々な事情を抱えた8人の男女が偶然集うこととなった。しかし、事態は思わぬ方向へと向かい始め・・・

 

タラちゃん映画、ここに極まる(良くも悪くも・・・)

 

みんな大好きタラちゃんことタランティーノ監督の最新作がついに公開です!

近年のタラちゃん映画最大の特徴は、“会話劇”としての抜群の完成度の高さ。何気ない会話の中に様々な伏線や登場人物同士の腹の探り合いが込められていて、一時も油断が許されない!

 

とくに『イングロリアス・バスターズ』(2009)冒頭におけるランダ大佐の尋問シーンなどはタラちゃん映画の魅力が凝縮された名場面だと思います。

本作もその流れに乗り、序盤から台詞の応酬が繰り広げられるわけですが・・・

 

ごめんなさい。ちょっとお尻が痛くなっちゃいました(^^;

 

本作は“密室ミステリー”として宣伝されていますが、実際に密室に辿りつくまでが、そして事件が勃発するまでが長い長い(笑)

 

まぁその辺は予想の範囲内ではあったんですが、本作の場合、余りにも会話劇としての“静”の時間が長過ぎなんですよね。前作ではそこから突如として激しいアクションが繰り広げられたわけなんですが、今回はそういった意味での派手な見せ場が非常に乏しい。

 

要するに、前作までにあった静と動の振り切れっぷりが失われてしまっているんですよ。

点火された長~い導火線が特大の爆竹へと燃え伝わるような、サディスティックな映画的快感にこそ魅力を覚えていたぼくにとっては、少々残念な展開だったことは否めませんでした。

 

また、『ヘイトフル・エイト』というタイトルからも想起される通り、登場人物全員がことごとくロクデナシ揃いなのは良いんですが(笑)、さすがに今回は悪趣味な描写が行き過ぎている場面が多かったのも気になりました。(女性への暴力とかはあんまり見たくなかったなぁ・・・やっぱり)

 

肝心のミステリー要素も「えっ!?」といった形であっさりとネタばらし。

アクション映画と呼ぶにもミステリー映画と呼ぶにもしっくりこない、非常にカテゴリ分けの難しい作品となってるんですね。

 

敢えて言うならば、これはもはや “タランティーノ映画” としか言いようがありません。そして、その意味では本作ほどタランティーノらしさが爆発した作品はないでしょう。

 

要するに、めちゃくちゃ観る人を選ぶ ってことです。

 

・・・と、色々文句は書いてきましたが、およそ50年振りに使用された超横長のアナモフィックレンズが描き出す美しい映像や、エンニオ・モリコーネによる劇判など、良いところもたくさんあるから難しいんですよね(^^;

 

やっぱり数年に一度のタラちゃん映画、観ない手はない・・・かな?

 

札幌市内で『ヘイトフル・エイト』を上映している映画館は「ユナイテッド・シネマ札幌(サッポロファクトリー内)」と「札幌シネマフロンティア(ステラプレイス内)」です。

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